医療的ケアが必要なお子さまの受け入れについて

「呼吸器も、いっしょに探検へ。」どんぐりのひみつきちは、人工呼吸器や気管切開、経管栄養などの医療的ケアが必要なお子さまの受け入れを想定して準備を進めている、重症心身障がい児専門の放課後等デイサービスです(大阪市平野区・2027年4月開業予定・大阪市へ指定申請予定)。このページでは、対応を想定している医療的ケアの内容と、看護師である代表が考える安全への取り組みを、ありのままにお伝えします。

受け入れを想定している医療的ケアの一覧|人工呼吸器・気管切開・経管栄養・たん吸引など

どんぐりのひみつきちは、次の医療的ケアが必要なお子さまの受け入れを想定して、開業準備を進めています。それぞれのケアについて、はじめての方にも分かるように、やさしい言葉を添えてご説明します。

  • 人工呼吸器:自分の力だけで呼吸することが難しいお子さまの呼吸を、機械が助けるケアです。ご自宅で呼吸器をお使いのお子さまが、機器といっしょに安心して放課後を過ごせる環境を準備しています。
  • 気管切開:のどに小さな入り口(気管孔)をつくり、呼吸の通り道を確保している状態です。カニューレ(気管に入れる管)まわりの観察や清潔の保持など、日常の管理に配慮した見守りを行う体制を整える予定です。
  • 経管栄養(経鼻胃管・胃ろう):口から食べることが難しいお子さまに、鼻からの細い管やおなかの小さな入り口(胃ろう)を通して、栄養や水分・お薬を届けるケアです。注入の時間に合わせた一日の過ごし方を計画します。
  • たん吸引:自分の力でたんを出すことが難しいお子さまの口・鼻・気管からたんを吸い取り、呼吸を楽にするケアです。吸引の回数が多いお子さまについても、状態を伺ったうえでご相談に応じます。
  • 酸素管理(在宅酸素):体に必要な酸素を補うために、機器から酸素を送るケアです。酸素の値(SpO2)をこまめに確認しながら、活動と休息のバランスを見守ります。
  • インスリン注射・血糖管理:血糖値を測り、必要なインスリンを補うケアです。食事や活動のタイミングに合わせた見守りを行います。

ここに挙げていないケアが必要なお子さまも、「うちの子は対象になりますか?」という段階から、どうぞご相談ください。ケアの名前だけで判断するのではなく、お子さまの状態やご家庭での手順を伺ったうえで、受け入れに向けて何が必要かを一緒に考えます。

安全への考え方|看護師である代表・嘱託医・学校や主治医との連携

代表の岡安光彦は看護師です。保育園の看護師として働いたのち、重症心身障がい児施設で人工呼吸器や気管切開のあるお子さまの医療的ケアと、個別支援計画の作成に携わってきました。その経験から、安全は特別な設備だけでつくるものではなく、毎日の観察と準備の積み重ねでつくるものだと考えています。

  • 毎日の体調チェック:来所のたびにその日の体調を確認し、入浴前には体温・脈拍・SpO2(酸素の値)などのバイタルチェックを行う計画です。「いつもと少し違う」という小さなサインを見逃さないことを、何よりも大切にします。
  • 嘱託医の配置(予定):連携する医師(嘱託医)を配置する予定です。日々のケアの相談や、緊急時の対応について医学的な助言を受けられる体制を整えます。
  • 学校・主治医との連携:ケアは主治医の指示にもとづいて行うことを基本とします。学校での体調の様子や発作時の対応方法を保護者の方・学校と共有し、お子さま一人ひとりについて「緊急時にどう動くか」をあらかじめ決めておく方針です。
  • 仕組みによる安全チェック:看護職員の配置基準を満たしているかを毎日自動で確認する仕組みを備え、人の注意力だけに頼らない安全管理を組み込みます。
  • 同性介助・接触最小の設計:入浴や排泄など体に触れる場面は、できるかぎり同性の職員が担当し、必要以上に体に触れない手順を計画しています。ご家族の「こうしてほしい」を大切な線引きとして受け止めます。

開業前のいまは、こうした体制を一つずつ形にしている段階です。だからこそ、ご相談の際には、準備が進んでいることも、これから整えることも、包み隠さずお伝えします。

入浴と医療的ケアの両立|「ケアのセット」としての入浴と、安全の三段構え

「毎日おフロでさっぱり、あしたも元気。」どんぐりのひみつきちのおフロは、毎営業日わいている計画です。お子さまごとの回数は個別支援計画で相談して決め、開業時の標準は週2回から。安全に実施できた実績と看護師2名を含む体制がそろったところで「通所した日は毎回」へ広げる二段階の設計です。

ひみつきちが目指す入浴は、洗体だけではありません。重い障がいのあるお子さまのご家庭では、入浴は毎日30〜60分、2〜3人がかりで、呼吸器の管理・肌のケア(保湿や軟膏)・気管切開ひもの交換・痰の排出まで含む医療的ケアのセットになっています。ご家族の手が、週に延べ10時間以上、入浴だけに取られている計算です。ひみつきちでは、このセットを丸ごと担い、「施設で入った日は、ご家庭のお風呂をお休みできる」水準を目標にします。看護師が常駐する施設だからこそできることだと考えています。

安全は、次の三段構えで守ります。

  • 個別入浴基準書:お子さま一人ひとりのふだんの値(平熱・SpO2・脈拍・発作の傾向)をもとに、「入浴」「切り替え」「入浴なし」の線を数字で決めます。嘱託医が承認し、年に一度見直します。
  • 「中止」ではなく「切り替え」:基準を少し超えた日は、清拭+肌ケア+気管切開部のケアに切り替えて、さっぱりして帰ることは守ります。体調がすぐれない日は入浴なしで静養と看護観察に。
  • 抱え上げない入浴(ノーリフティングケア):天井走行リフトを使った入浴の流れを計画しています。人の力で持ち上げないことは、転落事故を防ぐと同時に、職員の腰を守ることにもつながります。

入浴は「ケア」であると同時に「発達支援」でもあります。温かいお湯で筋肉の緊張がゆるむ時間帯に理学療法士・作業療法士の監修で関節を動かすこと、温冷や水流の感覚あそび、快・不快のサイン(表情・筋緊張・心拍・発声)を職員が読み取って記録し次回の湯温や順番に反映すること。こうしたことを、国の定める5つの領域に沿って個別支援計画に位置づけます。

「呼吸器があるから、お風呂はあきらめている」。そんなご家庭にこそ届けたい取り組みです。

利用イメージ「ひみつきちの1日」|平日の下校後と学校休業日の流れ

開業後を想定した一日のイメージです。お子さまの体調やケアの時間に合わせて、一人ひとり流れを調整します。

平日(学校がある日・営業時間 下校後13時ごろ〜19時)
・送迎車「どんぐり丸」が、平野支援学校の下校時刻に合わせてお迎えにあがります。車いすやバギーのまま乗車できる車両を準備しています。

・ひみつきちに到着したら、まずバイタルチェック。体調を確かめてから、その日の探検がはじまります。

・おやつと水分補給の時間(経管栄養のお子さまは、指示に合わせた時間に注入します)。

・音楽あそびや、光と音でリラックスするスヌーズレンなどの感覚あそびを楽しみます。

・個別支援計画で決めた日は入浴(ケアのセット)。さっぱりしたら帰りの支度。

・どんぐり丸でご自宅までお送りします。

学校休業日(土曜・日曜祝日・長期休み・営業時間9:00〜18:00)
・朝、どんぐり丸でお迎えにあがり、到着後にバイタルチェックを行います。

・午前の活動のあと、昼食の時間(経管栄養のお子さまは注入します)。

・休息をはさんで、午後は感覚あそびなどゆったりした時間を過ごします。理学療法士・作業療法士(委託予定)による機能訓練の時間も計画しています。

・入浴して、帰りの支度をしたら、ご自宅までお送りします。

定休日は火曜日で、日曜・祝日も営業する計画です。「日曜日に過ごせる場所がない」というご家庭の声に応えたいと考えています。

医療的ケアが理由で、利用を断られた経験のある保護者の方へ

「人工呼吸器のお子さんは、うちでは難しいです」「たんの吸引が多いと、お預かりできません」。電話や見学の場でそう言われて、悲しい思いをされたことはありませんか。事業所側にも、看護職員の体制などそれぞれの事情があります。それでも、断られるたびに「うちの子は、どこにも行けないのかな」と感じてしまう保護者の方の気持ちを思うと、胸が痛みます。

代表は、重症心身障がい児施設で働く看護師として、医療的ケアのあるお子さまたちの毎日と、それを支えるご家族の頑張りを間近に見てきました。「残りの人生は、子どものために使おう」。どんぐりのひみつきちは、その思いから生まれる場所です。

重症心身障がい児専門・1日定員5名という体制を選んだのは、医療的ケアのあるお子さま一人ひとりと正面から向き合うためです。お子さまの状態によっては、受け入れの準備や調整にお時間をいただく場合や、安全を最優先に考えた結果、お受けできないと判断する場合もあります。それでも、ケアの名前を聞いただけでお断りすることはしません。まずは、お子さまのことを聞かせてください。

受け入れのご相談について|開業前でもお気軽にどうぞ

どんぐりのひみつきちは、2027年4月1日の開業を目指して、大阪市へ指定申請を行う予定です。まだ開業前のため、ご利用契約の受付は始まっていませんが、次のご相談・ご登録を受付中です。

  • 開業お知らせ登録:開業時期や準備の進み具合など、最新の情報をお届けします。
  • 見学のご相談:準備の状況に合わせて、事業所をご覧いただく機会をご案内します。
  • 受け入れの個別相談:お子さまのケア内容(呼吸器の設定、注入や吸引の頻度、発作時の対応など)を伺い、受け入れに向けて必要な準備を一緒に確認します。看護師である代表が直接お話を伺います。

受給者証の手続きなど、利用開始までの流れについては「よくある質問」のページでもご案内しています。「まだ探しはじめたばかり」という段階のご相談も歓迎です。